傷痕
誰かの影追い越し
吐き出した白い息は
天へと昇っていくの
あたしをすり抜けて
強く眩しい光
あたしの眼を貫いた
あまりに綺麗な色に
心が萎えていった
走り出すことも
歩くことも 這うことも
交ざっていくことも
馴染むことも
まだ できない
落ちてく砂の流れ
逆らうことできなかった
埋もれてく あの感触が
また 蘇るから
疼き出す傷跡
折れた腕 冷えた音
剥がれた足の爪
捩れてしまった記憶を
やわらかな心
切り刻まれて 死んだから
流れ出る黒い血潮は
あなたには 見えない